ABSTRACT
1月発表データのレビュー
- 今回の予測では、1月末までに発表されたデータを更新した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、10-12月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼすべてが更新された。
- 12月の生産指数は前月比+0.3%と2カ月ぶりのプラス。結果、10-12月期は前期比+1.3%と2四半期ぶりに上昇した。
- 10-11月平均の民間消費関連指標を7-9月平均と比較すると、需要サイド指標は横ばい、供給サイド指標は低下した。10-12月期の民間最終消費支出は低調となろう。
- 10-12月期を前期と比較すれば、建築工事費予定額は+3.8%、資本財出荷指数は+5.3%、それぞれ上昇。10-12月期の民間企業設備は前期の落ち込みから回復しよう。
- 10-12月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は-1.1%、実質輸入額は-3.9%、それぞれ減少した。輸出に比し輸入が大幅減したため、実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度はプラスとなった。
DETAIL
10-12月期実質GDP成長率予測の動態
▶最新のデータを更新の結果、CQM(支出サイド)は、10-12月期実質GDP成長率を前期比+1.0%、同年率+3.9%と予測する。うち、国内需要は実質GDP成長率に対して前期比+0.3%ポイント、純輸出は同+0.7%ポイントの寄与度。輸入の大幅減が純輸出の寄与度を高めた。一方、主成分分析モデルは、前期比年率+1.7%と予測。1月のコンセンサス予測は同+1.2%と、CQMの主成分分析モデルの予測に近い。
10-12月期インフレ予測の動態
▶12月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+3.0%と40カ月連続の上昇。インフレ率が3%を超えるのは2023年8月(同+3.1%)以来である。
▶今回のCQMは、10-12月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.8%、国内需要デフレータを同+0.6%と予測。交易条件は改善するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.9%と予測する。