ABSTRACT
11月発表データのレビュー
- 今回の予測では、11月末の統計集中発表日のデータを更新した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、10-12月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼ1/3が更新された。
- GDP1次速報によれば、7-9月期の実質GDPは前期比年率+0.9%と前期(同+2.2%)より減速したものの、2四半期連続のプラス成長となった。実績は市場コンセンサス(ESPフォーキャスト11月調査:同+1.0%)やCQMの最終予測(同+0.7%)とほぼ同じとなった。
- 10月の生産指数は前月比+3.0%と2カ月連続のプラス。結果、10月は7-9月平均比+2.9%上昇した。
- 10月を7-9月平均と比較すれば、建築工事費予定額は+1.4%、資本財出荷指数は同+7.9%、それぞれ上昇した。10-12月期最初の月の民間住宅や民間企業設備は好調な出だしとなっている。
- 10月の輸出入動向(日銀ベース)を7-9月平均と比較すれば、実質輸出額は-2.0%、実質輸入額は-1.7%、それぞれ減少した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は前期から低下している。
DETAIL
10-12月期実質GDP成長率予測の動態
▶今回のCQM(支出サイド)は、10-12月期実質GDP成長率を前期比年率+0.1%、生産サイド同+1.6%、平均同+0.9%と予測。国内需要はプラス寄与だが、純輸出は同程度のマイナス寄与となった。このため支出サイドの成長率は前期比ほぼ横ばい。一方、11月のコンセンサス予測は同+1.41%とCQMより高い予測となっている。
10-12月期インフレ予測の動態
▶10月全国消費者物価コア指数は38カ月連続の前年比上昇だがインフレ率は2カ月連続で減速。コアコア指数は39カ月連続の上昇だが、インフレ率は3カ月連続で加速した。
▶今回のCQMは、10-12月期民間最終消費支出デフレータを前期比+0.1%、国内需要デフレータを同+0.2%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.1%と予測する。