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- 関西の景気は、現況は下げ止まり傾向にあり、先行きは上方への局面変化が見込まれる。関西の景気動向指数(現況判断CI)が3カ月連続で前月から改善したこともあり、基調判断を上方修正した。足下、生産は2カ月ぶりの減産。失業率は2カ月ぶりに改善し、就業率も上昇。雇用の回復は維持している。また、小売は百貨店、スーパーともに増加。一方、貿易黒字は縮小した。
- 景気の先行きについては上方への局面変化を見込んでいる。インバウンド需要は堅調に推移しているものの、物価の高止まりが景気回復のリスク要因となろう。
- 8月の生産は金属製品、生産用機械や電気・情報通信機械等の落ち込みが影響し、前月の上昇分を相殺する減産となった。
- 8月の失業率は2カ月ぶりに改善し、また就業者数も増加した。就業率が上昇し、雇用回復の勢いが維持されている。なお、7-8月平均では新規求人数の増加がみられ、先行き労働需要の動向に注視を要する。
- 7月の現金給与総額は8カ月連続の前年比増加。夏季賞与の効果が剥落したため、伸びは前月より大幅縮小。結果、実質賃金は再び減少に転じた。
- 8月の大型小売店販売額は35カ月連続の前年比増加で、前月より幾分加速。百貨店はインバウンドによる高額品の売上が堅調だったことに加え、スーパーは防災・備蓄関連商品の好調もあり2カ月ぶりに増加に転じたため。
- 8月の新設住宅着工戸数は4カ月ぶりの前月比増加。ただし、7-8月平均は4-6月平均比大幅減少し、住宅市場は低迷している。
- 8月の建設工事出来高は5カ月連続の前年比増加。公共工事の伸びも堅調で、5カ月連続で全国の伸びを上回っている。また、9月の公共工事請負金額は2カ月連続で同増加した。
- 9月の景気ウォッチャー現状判断DIは2カ月連続で悪化。残暑や前月の自然災害で増加した備蓄需要の反動もあり、小売関連が悪化。先行き判断DIは物価やコスト上昇に対する警戒感が強いこともあり、4カ月ぶりに悪化した。
- 9月の貿易収支は黒字となったが、前年に比べて縮小。輸出は対米や対EUが低迷して同減少に転じた。一方輸入は、特に対EUが全体を押し上げたため、同増加した。
- 9月の関空経由の外国人入国者数は同月として過去最高値を更新。7-9月期では4四半期連続で200万人超の水準となり、入国者数は好調を維持している。
- 中国の7-9月期実質GDPは前年同期比+4.6%と2四半期連続で減速した。足下は生産と消費の回復は低調であり、景気の減速傾向が見られる。中国政府は、追加の金融緩和策と景気刺激策を実施する方針を示した。しかし、雇用回復の遅れや不動産市場の深刻な不況により、短期間での改善は難しい。そのため、10-12月期の景気については7-9月期より改善は見込みづらい。