日本経済(月次)予測(2024年9月)
<9月末の統計集中発表日のデータを更新して、7-9月期実質GDP成長率を前期比年率+0.0%と予測>

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9月発表データのレビュー

  • 今回の予測では、9月末の統計集中発表日のデータを更新した。8月の家計消費関連、建設総合統計及び国際収支状況を除き、7-9月期GDP推計に必要な基礎月次データの2/3が更新。また日銀短観9月調査が発表された。
  • 8月の生産指数は前月比-3.3%低下し2カ月ぶりのマイナス。7-8月平均は4-6月平均比-0.3%低下(4-6月期:同+2.7%)。生産の低迷には自然災害の影響がみられる。
  • 7-8月平均を4-6月平均と比較すれば、建築工事費予定額は-8.2%減少、資本財出荷指数は同-4.2%低下した。7-9月期の民間住宅や民間企業設備の予測は前期から減速ないしはマイナス成長に転じよう。
  • 7-9月期の民間最終消費支出や公的固定資本形成の動きを説明する月次データは7月のみが更新された。民間最終消費支出と公的固定資本形成の予測を見れば、ともに前期平均比プラス成長となっている。
  • 7-8月平均の輸出入動向(日銀ベース)を4-6月平均と比較すれば、実質輸出額は+2.4%、実質輸入額は+3.6%、それぞれ増加した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度は前期から低下している。

DETAIL

7-9月期実質GDP成長率予測の動態

▶今回のCQM(支出サイド)は、7-9月期実質GDP成長率を前期比年率+0.0%、生産サイドは同-1.2%、平均同-0.6%と予測。同期は自然災害やインフレの影響もあり、ゼロ成長に近い。なお9月のコンセンサス予測は同+1.75%とプラス成長だが弱いデータが更新されるにつれて、下方修正されよう。

 

7-9月期インフレ予測の動態

▶8月全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.8%と36カ月連続の上昇、インフレ率は4カ月連続で加速している。またコアコア指数+2.0%と29カ月連続の上昇となった。

▶今回のCQMは、7-9月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.8%、国内需要デフレータを同+0.7%と予測。交易条件は改善するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+1.0%と予測する。

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