ABSTRACT
6月発表データのレビュー
- 今回の予測では5月末までに発表されたデータを更新。また1-3月期GDP1次速報を追加した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、4-6月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼ1/3が更新された。
- GDP1次速報によれば、1-3月期実質GDPは前期比年率-2.0%と2四半期ぶりのマイナス成長。CQM最終予測の予測誤差はほぼ想定内に収まった。
- 4月の生産指数は前月比-0.1%と2カ月ぶりのマイナスだが、1-3月平均比+2.6%上昇した。経産省は生産の基調判断を「一進一退ながら弱含み」と据え置いた。
- 4月を1-3月平均と比較すれば、建築工事費予定額は+14.0%、資本財出荷指数は+3.0%上昇した。民間住宅や民間企業設備は前期の低迷から回復。1-3月期の実質総消費動向指数は前期比+0.1%と4四半期ぶりの小幅増、公共工事は同+5.6%と3四半期ぶりのプラスとなった。
- 4月の輸出入動向(日銀ベース)を1-3月平均と比較すれば、実質輸出額は+1.3%、実質輸入額は+2.9%、それぞれ増加した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度はマイナスとなっている。
DETAIL
4-6月期実質GDP成長率予測の動態
▶今回のCQM(支出サイド)は、4-6月期実質GDP成長率を前期比年率+2.0%、生産サイドは同+2.4%、平均同+2.2%と予測する。市場コンセンサス(同+2.10%)は支出サイドとほぼ同じ成長率を予測。
4-6月期インフレ予測の動態
▶5月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.5%と33カ月連続の上昇だが、インフレ率は3カ月ぶりに前月から拡大。一方、コアコア指数(除く生鮮食品及びエネルギー)は同+2.1%と26カ月連続の上昇だが、インフレ率は9カ月連続で減速している。
▶今回のCQMは、4-6月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.7%、国内需要デフレータを同+1.0%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.8%と予測する。