ABSTRACT
・8月の生産(季節調整値)は2カ月ぶりの前月比マイナス。近経局は生産の基調判断を「生産は緩やかな持ち直しの動きに一服感」と前月から下方修正した。
・9月の貿易収支は4カ月連続の黒字。輸出入とも前年同月比プラスだが、台風の影響で急減した昨年9月からの反動によるところが大きい。
・9月景気ウォッチャー現状判断DIは、2カ月連続の前月比改善。増税時前の駆け込み需要を現状判断DIで今回と前回増税時前を比較すれば、今回は増税1カ月前に大きく上昇しているが、全体としてみれば低調。駆け込み需要の影響は限定的と思われる。
・7月の関西2府1県のコア賃金指数は2カ月ぶりに前年比増加だが、実質現金給与総額は5カ月連続で同減少。
・8月の大型小売店販売額は2カ月ぶりに前年を上回った。高額品の売り上げが伸び、百貨店はプラスに影響した。一方、天候不順で季節商品が伸び悩み、スーパーはマイナスに寄与した。
・8月の新設住宅着工戸数は2カ月ぶりの前年比減少。持家は増加したが、貸家と分譲は減少した。前回増税時に比して今回の駆け込み需要は限定的である。
・8月の求人倍率は足下依然悪化傾向にあるが、先行きは改善の兆しがみられる。完全失業率は3カ月連続で改善しており、労働需給は引き締まっている。
・9月の公共工事請負金額(季節調整値)は2カ月ぶりに前月比減少した。結果、7-9月期は2四半期連続の前期比減少だが、自然災害の影響もあり他地域については今後の拡大が見込まれる。
・9月の関空の外国人入国者数は前年比+93.5%と大幅増加したが、17年比では+5.1%に留まった。日韓関係の悪化の影響には引き続き注視していく必要がある。
・7-9月期GDP成長率は前年比+6.0%と過去最低の伸び。9月、社会消費品小売総額は前年比安定的に推移し、工業生産は前月からやや加速した。一方、累積固定資産投資は前月からやや減速。
・米中貿易摩擦について、10月に第1段階合意が両国で形成されたものの、先行きについては大きな不透明感が漂っている。
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DETAIL
Summary: The economy is currently deteriorating but likely to level off
▶ In August, production shrank and the rush demand before the tax hike was still limited. Large retailers’ revenues increased, but the number of new housing starts declined.
▶ Nominal wages in Osaka, Kyoto and Hyogo prefectures increased, but real wages kept declining.
▶ In September, Kansai logged a trade surplus. Both exports and imports expanded, but that was mainly due to the rebound from last year’s typhoon-induced slump in trade.
▶ The huge YoY increase in the number of international arrivals at Kansai International Airport in September can also be attributed to last year’s typhoon.
▶ The value of public works contracts declined, but an upward trend is expected in the areas affected by the natural disasters in October.
▶ China’s Q3 GDP expanded an annualized +6.0%, an all-time low. Consumer spending remained unchanged. Industrial production accelerated, but fixed capital investment decelerated. Prospects remain unclear.