Kansai Economic Insight Monthly Vol.80
– 景気は足下悪化・先行きは下げ止まりの兆し –

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・10月の生産(季節調整値)は2カ月ぶりの前月比マイナス。生産用機械工業、汎用・業務用機械工業、化学工業(除.医薬品)等が減産となった。
・11月の貿易収支は6カ月連続の黒字となったが、輸出入とも前年比マイナスが続いている。貿易総額は昨年台風からの反動が見られた本年9月を除けば、昨年12月から連続で縮小。国・地域別では、対中輸入、対EU輸出、対米輸出が大きく減少した。
・11月景気ウォッチャー現状判断DIは40.2と、2カ月ぶりに前月比改善。水準はいまだ低いが、キャッシュレス決済によるポイント還元の効果が下支えしている。
・9月の関西2府1県のコア賃金指数は2カ月連続で前年比減少し、実質賃金も7カ月連続で同減少した。
・10月の大型小売店販売額は前年を大幅に下回った。業態別に見れば、百貨店では増税前の駆け込み需要の反動がみられ、スーパーは気温高で季節商品が低調であった。
・10月の新設住宅着工戸数は前年同月比-1.6%と3カ月連続で減少した。分譲は増加したが、持家と貸家は減少し、全体を押し下げた。
・10月の求人倍率は2019年5月以降、9月を除き改善がみられない。求人数の減少幅が求職者数のそれより大きいため。また、完全失業率は2カ月連続で悪化した。
・10月の建設工事出来高は前年同月比+4.5%と20カ月連続で増加。11月の公共工事請負金額(季節調整値)は前月比+1.0%と大幅に伸びた前月の高水準を維持している。
・11月の関空への外国人入国者数は前年比14カ月連続のプラスだが、前月に引き続き小幅にとどまった。国籍別(9月)に見ると、中国は12カ月連続、台湾は3カ月連続、香港は3カ月ぶりの前年比増加だが、韓国は16カ月連続で同減少した。
・11月の中国の製造業購買担当者景況指数PMIは前月から上昇し、7カ月ぶりに景気分岐点(50)を上回った。工業生産も前月から加速したが、実質消費や固定資産は横ばいである。先行きについては引き続き注視が必要である。

 

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