ABSTRACT
1. GDP2次速報によれば、2020年7-9月期の実質GDPは前期比+5.3%(同年率+22.9%)増加し、1次速報の前期比+5.0%(同年率+21.4%)から上方修正された。純輸出は下方修正されたが、国内需要が上方修正された。なお、今回の2次速報公表に合わせて、国民経済計算の2015年基準改定が行われた。結果、2019年度の実質GDP成長率は、0.0%から-0.3%に下方修正され、5年ぶりのマイナス成長となった。
2. GDP2次速報を反映し関西経済予測を改定。関西の実質GRP成長率を2020年度-5.1%、21年度+3.6%、22年度+1.7%と予測する。20年度は記録的な大幅マイナスとなる。21年度は3年ぶりのプラス成長となり、22年度も緩やかな回復が見込まれる。前回予測(11月26日公表)に比べて、20年度は政府支出を中心に上方修正、21年度は民間需要および域外需要を若干上方修正した。なお今回新たに22年度の予測を追加した。
3. 実質GRP成長率に対する寄与度を見ると、2020年度は民間需要-4.8%ポイント、域外需要-0.9%ポイントと成長を押し下げる。公的需要はGo To キャンペーン事業などの経済対策の効果から+0.6%ポイントと成長に貢献するが、民間需要・域外需要の落ち込みを補うには至らない。21年度は、民間需要+2.0%ポイント、公的需要+0.4%ポイント、域外需要+1.2%ポイントといずれも成長に寄与する。22年度も、民間需要+1.0%ポイント、公的需要+0.2%ポイント、域外需要+0.5%ポイントと、それぞれ緩やかではあるが成長を押し上げる。