Kansai Economic Insight Monthly Vol.101
-景気は足下、先行きともに改善:陽性者数減少も感染対策による消費下押し圧力に注意-

洞察・意見 » 経済予測 » 月次レポート(関西)

ABSTRACT

・関西のCOVID-19の1日当たり新規陽性者数(7日移動平均)は、8月28日にピークを打ち、足下ではピーク時の3分の1以下となった。一方、飲食店への時短要請や入場制限などの感染対策が継続されており、消費の下押し圧力が懸念される。
・7月の鉱工業生産は2カ月ぶりの前月比低下。電気・情報通信機械、金属製品、汎用・業務用機械などの減産が影響した。
・7月の完全失業率は3カ月連続の小幅改善だが、感染対策の影響から就業者が減少した。また、7月の有効求人倍率は3カ月ぶりの小幅下落。雇用情勢は厳しい状況が続いている。
・6月の関西2府4県の現金給与総額は名目で4カ月連続、実質で6カ月連続の前年比増加だが、コロナ禍の影響がない前々年比はいずれも減少。賃金は依然低調である。
・7月の大型小売店販売額は3カ月ぶりの前年比増加。前々年比でみても、2カ月連続で前月よりマイナス幅が縮小しており、回復している。
・7月の新設住宅着工戸数は2カ月連続の前月比増加。分譲マンションの大幅増加が全体の増加に寄与した。持ち直しの基調が続いているが、ウッドショックや感染再拡大等の要因による下押し圧力が今後も懸念される。
・7月の建設工事出来高は40カ月連続の前年比増加。うち、公共工事出来高は22カ月連続の同増加。8月の公共工事請負金額は4カ月連続の前年比増加となった。
・8月の景気ウォッチャー現状判断DIは緊急事態宣言発令や天候不順の影響もあり4カ月ぶりの前月比悪化。先行きは感染拡大による緊急事態宣言延長の見方もあり、2カ月連続で悪化した。
・8月の輸出は6カ月連続、輸入は7カ月連続の前年比増加。輸出は前月に引き続き、アジア向けの半導体等電子部品やプラスチックが好調。輸入は原油及び粗油、医薬品の増加が寄与した。
・8月の関空への外国人入国者数は2,476人となり、前月から減少し、21年前半の月平均(3,772人)を下回る状況が続いている。
・8月の中国経済は、多くの指標に減速傾向がみられる。COVID-19の再拡大によって、非製造業PMIは昨年2月以来の低水準。また、外需の軟調により生産も頭打ちとなっている。

pagetop
loading