ABSTRACT
1. GDP2次速報によれば、2021年7-9月期の実質GDPは前期比-0.9%(同年率-3.6%)減少し、1次速報の前期比-0.8%(同年率-3.0%)から下方修正された。民間需要は変化がなかったが、公的需要は下方修正された。純輸出の寄与度は小幅にとどまった。また過去のGDPの水準が改定されたことにより、コロナ前のピークは2019年4-6月期となった。
2. GDP2次速報を反映し関西経済予測を改定。関西の実質GRP成長率を2021年度+2.8%、22年度+2.8%、23年度+1.8%と予測する。21年度は3年ぶりのプラス成長となるが、緊急事態宣言長期化による消費の伸び悩みが影響し、20年度の大幅落ち込みに比べると小幅である。コロナ禍前の水準を回復するのは22年度以降となる。
3. 前回予測(11月30日公表)に比べて、成長率全体では21年度は修正なし、22年度は下方修正、23年度は上方修正とした。22年度は民間需要を下方修正したことによる。23年度は域外需要を下方修正したが、民間需要を上方修正したことで成長率全体では上方修正となった。
4. 2021年度は、民間需要が+1.2%ポイントと4年ぶりに成長に寄与する。公的需要はコロナ対策の効果から+0.6%ポイント、域外需要も+1.1%ポイントとそれぞれ底堅く成長を下支える。22年度も民間需要+1.7%ポイント、公的需要+0.5%ポイント、域外需要+0.6%ポイントと3項目すべてが成長に貢献する。23年度も同様に3項目とも堅調に推移するが、寄与度はいずれも前年に比べて小幅となる。