ABSTRACT
本稿では、グローバル・バリューチェーンの持続可能性に関し、日本企業を含む先進国の統括企業が、「持続可能な開発目標(SDGs)」を経営に実装・主流化する際に直面しうる課題と可能性を検討した。
本稿ではベトナムのエビ養殖産業のバリューチェーンに注目した。その理由は、日本のエビ市場が大きなエコロジカル・フットプリントを残しながらベトナムのエビ養殖産業と非対称な形でつながっており、その持続可能な発展の可能性は日本企業の関りのありように大きく依存しているからである。こうした実態を踏まえ、本稿では同産業のバリューチェーンにおけるサステイナビリティ上の課題と可能性を検討した。