日本経済(月次)予測(2024年1月)
<1月末の統計発表集中日のデータを更新し、10-12月期実質GDP成長率予測を前期比年率+3.2%に上方修正>

洞察・意見 » 経済予測 » 月次レポート(日本)

ABSTRUCT

DETAIL

1月発表データのレビュー

▶今回の予測では、1月末までに発表されたデータを更新した。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、10-12月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼすべてが更新されたことになる。

▶12月の生産指数は前月比+1.8%と2カ月ぶりのプラスとなった。結果、10-12月期は前期比+1.4%上昇し、2四半期ぶりのプラス。経産省は生産の基調判断を「一進一退」と前月から据え置いた。

▶11月の実質現金給与総額は前年同月比-2.5%と20カ月連続で減少した。

▶11月の実質総消費動向指数は前月比横ばい。結果、10-11月平均は7-9月平均比+0.1%小幅上昇にとどまった。実質家計消費の動向は弱い動きとなっている。

▶10-12月期を前期と比較すれば、建設工事費予定額は+1.7%、資本財出荷指数は+2.4%増加した。10-11月平均を7-9月平均と比較すれば、公共工事は-2.0%減少した。

▶10-12月期を前期と比較すれば、実質輸出額は+0.2%(3四半期連続)、実質輸入額は+0.9%(2四半期連続)、それぞれ増加した。財貨の実質純輸出の10-12月期実質GDP成長率に対する寄与度は小幅のマイナスとなっている。

 

10-12月期実質GDP成長率予測の動態

▶今回のCQM(支出サイド)は、10-12月期の実質GDP成長率を前期比年率+3.2%と予測する。生産サイドは同+1.7%と予測。結果、平均予測(同+2.4%)は市場コンセンサス(同+1.15%)より高めである(図表1参照)。

 

図表1

 

10-12月期インフレ予測の動態

▶12月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.3%と28カ月連続の上昇だが、インフレ率は4カ月連続で2%台となった。

▶今回のCQMは、10-12月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+1.0%、国内需要デフレータを同+0.6%と予測している。一方、交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.2%と予測する(図表2参照)。

 

図表2
pagetop
loading