日本経済(月次)予測(2024年2月)
<2月末統計集中発表日のデータを更新して、1-3月期の実質GDP成長率予測を前期比年率+0.2%に下方修正>

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2月発表データのレビュー

  • 今回の予測では2月末までに発表されたデータを更新した。また10-12月期GDP1次速報を追加。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、1-3月期GDP推計に必要な基礎月次データのほぼ1/3が更新された。
  • GDP1次速報によれば、10-12月期実質GDPは前期比年率-0.4%と2四半期連続のマイナス成長。市場コンセンサスやCQM最終予測は実績から大幅に上振れた。
  • 1月の生産指数は前月比-7.5%大幅低下し、2カ月ぶりのマイナス。結果、10-12月平均比-6.9%%低下した。経産省は生産の基調判断を「一進一退ながら弱含み」と前月の「一進一退」から下方修正した。
  • 1月を10-12月平均と比較すれば、建築工事費予定額は-1.6%、資本財出荷指数は-12.6%低下した。民間住宅や民間企業設備は低迷している。また、10-12月期の実質総消費動向指数は前期比-0.0%と2四半期ぶりのマイナス、公共工事は同-2.1%と4四半期ぶりのマイナスとなった。
  • 1月の輸出入動向(日銀ベース)を10-12月平均と比較すれば、実質輸出額は-1.8%、実質輸入額は-8.9%、それぞれ減少した。実質財貨純輸出の実質GDP成長率に対する寄与度はプラスとなっている。

 

1-3月期実質GDP成長率予測の動態

  • 今回のCQM(支出サイド)は、1-3月期の実質GDP成長率を前期比年率+0.2%と予測する。生産サイドは同-1.8%と予測。結果、平均予測(同-0.8%)は市場コンセンサス(同+0.39%)より低めとなっている(図表1参照)。

 

図表1

 

1-3月期インフレ予測の動態

  • 1月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.0%と29カ月連続の上昇となり、インフレ率は5カ月連続で2%台となった。
  • 今回のCQMは、1-3月期の民間最終消費支出デフレータを前期比-0.4%、国内需要デフレータを同-0.2%と予測している。一方、交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同-0.6%と予測する(図表2参照)。

 

図表2
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