日本経済(月次)予測(2024年4月)
<4月末統計集中発表日のデータを更新して、1-3月期の実質GDP成長率予測を前期比年率-2.9%に上方修正>

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4月発表データのレビュー

  • 今回の予測では4月末までに発表されたデータを追加。家計消費関連指標、公共工事、及び国際収支状況を除けば、1-3月期GDP推計に必要な基礎月次データをほぼ更新。
  • 3月の生産指数は前月比+3.8%上昇し3カ月ぶりのプラス。結果、1-3月期は前期比-5.4%と2四半期ぶりのマイナス。生産の基調判断は「一進一退ながら弱含み」。
  • 1-3月期平均を前期と比較すると、就業者数は+4万人と5四半期連続、雇用者数は+15万人と4四半期連続で、それぞれ増加した。
  • 1-3月期を前期と比較すれば、建築工事費予定額は-4.8%、資本財出荷指数は-8.4%低下した。1-2月平均を10-12月平均と比較すれば、実質総消費動向指数は-0.2%減少だが、公共工事は+4.5%増加した。民間最終消費、民間住宅投資、民間企業設備と民間需要の低迷が目立つ。
  • 1-3月期の輸出入動向(日銀ベース)を前期と比較すれば、実質輸出額は-2.5%、実質輸入額は-4.5%それぞれ減少した。財貨の実質純輸出の1-3月期の実質GDP成長率に対する寄与度はプラスだが、サービス支出の寄与度は大幅なマイナスとなろう。

1-3月期実質GDP成長率予測の動態

  • 今回のCQM(支出サイド)は、1-3月期実質GDP成長率を前期比年率-2.9%、生産サイドは同-1.7%と予測する。市場コンセンサス(同-0.54%)もマイナス成長を予測するが、両モデル平均予測(同-2.3%)はより高め(図表1参照)。
図表1

1-3月期インフレ予測の動態

  • 3月の全国消費者物価コア指数は前年同月比+2.6%と31カ月連続の上昇だが、インフレ率は2カ月ぶりに前月から縮小。一方、コアコア指数(除く生鮮食品及びエネルギー)は同+2.9%と24カ月連続の上昇だが、インフレ率は7カ月連続で減速している。
  • 今回のCQMは、1-3月期の民間最終消費支出デフレータを前期比+0.1%、国内需要デフレータを同+0.3%と予測。交易条件は悪化するため、ヘッドライン(GDPデフレータ)インフレ率を同+0.1%と予測する(図表2参照)。
図表2
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