東アジアの輸出志向型工業化の落とし穴

研究プロジェクト 2013年度

ABSTRUCT

目的

・東アジアの高度成長は輸出志向型工業化に依存してきたが、水平貿易による付加価値の低下、空洞化の懸念、外国企業の景気や政治情勢に大きく影響される投資などから、いまアジア各国では内需主導型経済への転換の兆しがみられる。

・その変化をサプライチェーンの実態と変化から明らかにして、日本企業が進出する際に予想される落とし穴について警告を発し、より健全で頑健なアジア地域成長のための施策を考える。

・想定するメインの読者は、ビジネス関係者でアジアの今後に興味を持つ人たちである。

?内容

・関西の企業への聞き取り調査、現地調査、文献調査、統計分析を行う。現地調査はベトナムに焦点を定め、進出のモチベーションや技術移転のやり方、製品の変化、サプライチェーンの現状

・将来などについて聞き取り調査を実施し、新しい知見を纏める。

・顕示比較優位指数、産業内分業などを計算し、貿易実態を統計的に明らかにする。最終財と部品貿易を区別し、経済統合の進展に伴うサプライチェーンの構築を明らかにする。

・製品群の推移を雁行形態的に観測し、同時に空洞化の雁行形態も明らかにする。

?期待される成果と社会還元のイメージ

(1)輸出入港別月次輸出入データを活用し、アジアにおけるサプライチェーンの動態を俯瞰する。これは企業・経済団体にとっても企業経営の参考に資するデータとなる。

(2)近い将来海外進出を考えている関西企業にとって、進出地域、進出形態を検討する上での判断材料を提供する。とりわけ、情報入手が難しい中小企業に対し有用である。

(3)関西企業とベトナムとの経済交流発展に貢献する。

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