新しいマクロ経済モデル:地方財政および関西経済への応用可能性の検証

研究プロジェクト 2013年度

ABSTRACT

研究成果概要

政策シミュレーションに適したマクロ経済モデルである動学的確率的一般均衡(Dynamic Stochastic General Equilibrium, DSGE) モデルを関西経済へと応用することを目的とし、その研究成果をとりまとめたものです。地域経済を対象とするDSGE モデルを構築することで、
1) シミュレーション分析を通じて地域特性を明らかにする
2) 他の地域のDSGE モデルと比較する
3) 様々な政策シナリオを試算する
ことが可能になると期待されます。日本の地域を対象としたDSGE モデルの開発は前例がなく、新しい試みといえます。本報告書が足下の関西の経済情勢判断の一助となり、関西経済の構造的特徴を説明する際の資料として活用されることを望みます。詳細はこちら

目的

近年、マクロ経済政策の分析ツールとして、動学的確率的一般均衡モデル(Dynamic Stochastic General Equilibrium, DSGE)が広く活用されている。DSGEモデルは、パラメータが政策変更等の外部要因に影響されることがなく、シミュレーションに適している。しかし有用性がある一方でこのモデルはほとんど研究が進んでいない。

本研究は、関西経済や政策分析、マクロ経済理論に関心のある読者を対象とする。先行研究のサーベイ、ベンチマークモデルを用いたシミュレーション等を行なう。また予測についても検討し、他の予測モデルとパフォーマンスを比較する。

内容

分析にはDSGEモデルを用いる。国内地域モデルを考察するために、まず欧州経済を想定した二国モデルを参考とする。

本研究の特色は、特定の地域経済を対象とすることである。特に日本国内において、地方財政を扱ったDSGEモデルには例がなく、地域に則した形でマクロ経済を記述し、政策効果を評価する。

期待される成果と社会還元のイメージ

関西経済の構造的特徴をパラメータ値の推定によって定量的に捉えることができるとともに、マクロ経済理論をベースとする形で、各種の政策シミュレーションを行うことが可能である。理論的に透明度の高いモデルを用いることにより、政策効果の波及メカニズムを理論に即して追跡することが可能であり、企業・経済団体でも、情勢判断の一助として利用してもらうことが可能である。

 

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