都市におけるIoTの活用

研究プロジェクト 2018年度

ABSTRUCT

リサーチリーダー

上席研究員 下條真司 大阪大学サイバーメディアセンター教授

 

研究目的

モノのインターネット(以下、IoT : Internet of Things)技術によりセンサー類が繋がることで、様々なプロセスが最適化されている。本研究で焦点を当てている将来の都市(スマートシティ)においては、街・人・行政・環境などからデータを取得して、省エネルギー・安全安心・快適・健康へとサービスを繋いで「人々の幸せ」と「効率的な都市マネジメント」を実現していくことになる。

 2017年度は、IoT活用の先進事例を専門家より報告して頂き、具体的なプロセスの最適化を議論した。特に、ヒトのプロセスに注目して、職場のストレス度・生産性について報告頂いた。また、スマートシティの中での「人々の幸せ」に関連して、内閣府幸福度研究会メンバーでもある大阪大学大竹教授(APIR上席研究員)に幸福度の考え方をご説明頂き、IoTを使ったサービスの幸せに繋がる考え方を考察した。

 

研究内容

上記の目的を達成するために、本研究では、大学・研究機関の研究者、企業関係者、行政機関等をメンバーとするオープンな研究チームを組織し、定期的に研究会を開催することで以下のテーマについて議論し、活用の方向性や課題、有り方などについてまとめる。

1)IoT活用先進事例と都市との関連

昨年度に引き続き、先進事例を実施している講師を招聘し議論する。

先進事例の展示会にて主にヒトのプロセスやスマートシティにIoTがどう活用されているか、昨年とどう変化しているかを調査する。

2)IoT活用最適化プロセスと幸福度指数との関係

昨年度に引き続き、幸福度など関連の研究者を招聘し、都市の中のIoTサービスがどう影響するかを考察する。また、IoTサービスによる効果が「幸福度指標試案体系図」の小項目との関係を整理する事で指標に結び付かないか検討する。

3)実証試験との連携

昨年度、NTT西日本と検討し応募した実証試験に関連して、実証用のIoTのデータ収集・解析のプラットフォームを活用してグランフロント大阪内で実証試験できないかをNTT西日本と検討する。

研究会のメンバーとは情報交換を行い、賛同される企業団体と研究会とは別の場で検討を行う。これにより、グランフロント大阪や引き続くうめきた2期でのデータ活用のモデルとして、関連企業や行政にアピールしていきたい。

IoTが想定する社会やシステムを抽象論ではなく、うめきた2期に向けた具体的なモデルを想定して議論することで、実証実験へとつながる具体的な提案を行う。また参加者をオープンにすることで、事業者の参画を促し、関西活性化への一助としたい。

 

リサーチャー

山本明典 APIR研究員・総括調査役

 

期待される成果と社会還元のイメージ

具体的なモデルを想定した、Smart Cityの具体的イメージと必要なインフラについての指針を提案し、報告書にまとめる。

スマートシティの街づくりを進める自治体や、街づくりに参画する企業、センサー等の開発企業などに対し参考となる情報を提供する。また、IOTに関連する規格等の標準化の指針づくりに参考にもなる。

 

<研究会の活動>

研究会

・2018年6月14日   第1回研究会開催

・2018年8月21日   第2回研究会開催(予定)

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