関西・大阪における都市ぐるみ、都市レベルのDX

研究プロジェクト 2021年度

ABSTRUCT

リサーチリーダー

APIR上席研究員 下條 真司

 

研究目的

コロナ禍によって日本のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れが改めて浮き彫りとなり、官民ともにDX推進の機運が高まった。一方、DXには事業の転換や業務プロセスの変革を含む場合があり、拙速に行うと組織内外に負の影響を伴うにも関わらず、DXの「進め方」に比べて、有効なDXとするために守るべき「規範」に関する考察は少ない。DXの有効性をより高めるには、「規範となる考え方」が広く共有される必要があると思われる。
16~20年度の研究PJ「都市におけるIoTの活用」では、「『人々の幸せ』を中心とする、持続的に成長する都市」実現のためのIoT/ICTのあるべき姿を考察してきたが、それを都市ぐるみ、都市レベルのDXの取り組みへと発展させ、個々の企業にも役立つ指針としたい。21年度はこれまでの考察に加え、DX実施に伴う課題、負の面ならびにその対策を検討して、関西・大阪における都市レベルのDXの「規範となる考え方」を提案することを目指す。

 

研究内容

(1) 複数の視点を設定し、それぞれの視点での文献調査、政策レビュー、事例調査を通じて、DXの際に想定される課題と、それに対応する規範の内容案を多面的に検討する。

(2) 研究期間中には複数のクール(検討期間)を設定し、各クールの最後には産官学のオブザーバーを交えた研究会を開催する。研究会ではそれまでの検討結果を報告するとともに、規範の考え方について実務者との意見交換を行い、規範案のブラシュアップを行う。関連する事例の共有も行う。

(3) 国内外の代表的な展示会に出席し、DXに関連する官民の技術の方向性を現地調査する。調査結果は所内研究会で報告するとともに、示唆を抽出する際の参考情報とする。

(4)21年度の成果報告と、産官学有識者との意見交換を通じた規範案のPRとさらなるブラシュアップを目的としたフォーラムを開催する。

 

<研究体制>

研究統括

宮原 秀夫  APIR所長

リサーチリーダー

下條 真司  APIR上席研究員、大阪大学サイバーメディアセンター教授・センター長

リサーチャー

岸本 充生  大阪大学データビリティフロンティア機構教授
大島 久典  APIR研究員・総括調査役

※必要に応じて、大学、自治体や企業等にも参画いただく。

 

期待される成果と社会還元のイメージ

2025年万博、都市OSに向けた提言を含め、関西・大阪におけるDX推進の規範となる考え方をまとめた報告書を取りまとめる。産官学それぞれの枠を超えた、DX/スマートシティの諸課題に関する情報共有と議論の場を提供する。
関西・大阪の自治体・企業において、今後DXの実行計画を策定する際、目的・仕様の上位概念として参照いただく。また研究会を通じて、DX/スマートシティ構築に関して各社間で交流・連携いただく。

pagetop
loading