関西・大阪における都市ぐるみ、都市レベルのDX

研究プロジェクト 2022年度

ABSTRUCT

リサーチリーダー

APIR上席研究員 下條 真司

 

研究目的

本研究プロジェクトは前身の「都市におけるIoTの活用」(16~20年度)とともに、ICTによる「人々の幸せを中心とする、持続的に成長する都市」の実現を目指す中で、ICTの負の影響を避けるために留意すべき点を検討する研究の一環であり、2021年度より企業でのDXを題材としている。
2021年度の研究会では企業のDX事例を広く業種別に取り上げて課題を抽出したが、その中でDXによる変革の目的を「顧客との長期的な関係を構築するビジネスモデルへの変革」に置く傾向が見られた。そこで2022年度は、「長期的な顧客関係の構築と、データの利用による提供価値の継続的な進化」を行うビジネスモデル、特にサブスクリプション(サブスク)に注目し、従来のビジネスモデルからの転換に伴う課題と、それに対処するための原則を検討したい。
なお従来の、見積、出荷、請求等の機能別に分断されたICTシステムは、サブスクにおける、利用形態や課金形態の様々な変更要求に機敏に対応するには適さないことが指摘されている。サブスクへの転換に伴うICTシステム構築の考え方の転換についても調査したい。

 

研究内容

(1) サブスクの事例を類型別にピックアップし、研究会での事例紹介・ゲスト講演と意見交換、前後の補足調査によって、各事例でのサブスクの特徴、課題、課題への対処の考え方を抽出する。

(2) 国内外の展示会等で、データを利用したマーケティング等の動向を調査する。

(3) (1)で得た課題と対処の考え方を、個別の事例を超えた類型別の原則として一般化する。原則の検討に必要な定性・定量調査は都度行う。

(4)成果のPRと、産官学有識者との意見交換を目的としたフォーラムを開催する。

 

研究体制

研究統括

宮原 秀夫  APIR所長

リサーチリーダー

下條 真司  APIR上席研究員、大阪大学サイバーメディアセンター教授・センター長

リサーチャー

岸本 充生  大阪大学データビリティフロンティア機構教授
大島 久典  APIR研究員・総括調査役(※1)

オブザーバー

行政、団体、民間企業、より適宜参加を要請(※2)

※1:必要に応じて、大学、自治体や企業等にも参画いただく。
※2:万博・スーパーシティ構想に向けた実証実験の実施が想定される官民の組織を研究会のオブザーバーとしており(昨年実績13社)、今年度も参画を打診する。

 

期待される成果と社会還元のイメージ

2025年万博、スーパーシティ、都市OSに向けた提言を含め、サブスクの類型別に、その特徴、課題とリスク、対処のための原則の考え方をまとめた報告書を取りまとめる。産官学・各社の枠を超えた、DX/スマートシティの諸課題に関する情報共有と議論の場を提供する。
関西の企業が「顧客との長期的な関係構築」を目指すビジネスモデルを立案する際、またはサブスクに類する実証実験を行う際、想定される課題とその対処の考え方の指針としていただく。また関西の自治体が地域のビジネスの成長支援を行う際の、サブスクに類する案件を評価する指針としていただく。研究会、フォーラムは、DX/スマートシティ構築に関する各社が交流の場とすることで、実証実験のパートナーやきっかけを作る機会としていただく。

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