アジア太平洋地域の政治・経済的協力のあり方

研究プロジェクト 2022年度

ABSTRUCT

リサーチリーダー

APIR上席研究員 木村 福成 慶應義塾大学経済学部教授、ERIAチーフエコノミスト

 

研究目的

COVID-19が猛威を振るっている中においても、多少の動揺はあったが、GVCs、IPNsはレジリンエントかつロバストであり続けた。また、2022年に入りRCEPが発効し、世界の通商環境に明るい兆しが見えかけたと思われたが、ウクライナ危機が発生し、世界経済に対し暗い影が覆い始めている。米国が民主党政権に代わり、米中貿易戦争の緩和が期待されたものの、人権問題をはじめとした、中国との論争は収まることがなく、その中で台頭してきた「経済安全保障」が、ウクライナ危機により強まる気配が生じている。
今年は秋に米国では中間選挙、中国では5年に一度の共産党大会という大きなイベントが控えており、その結果は今後の世界経済の動向を大きく左右する可能性が高い。
アジアは自由貿易に対する向かい風に抗していけるのか、進みつつあった高いレベルの自由化と新たな国際ルール作りは「経済安全保障」の前に進路を保つことができるのか、グローバル企業の事業活動に強い影響を及ぼす局面はますます早いスピードで更新されている。本プロジェクトでは、国際経済学のみならず、国際法学、政治学ならびに企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジア太平洋地域の政治・経済協力のあり方について研究を進めていく。

 

研究内容

2022年度は2021年度に引き、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点を固めていく。
また、米国中間選挙や中国共産党大会あるいはウクライナ危機等の最新状況を踏まえながら、日本、関西経済への影響についても分析していく。
木村リサーチリーダーによるASEANと日本の経済活動研究による考察を軸に、学識者、研究者並びに実務家に登壇いただき、複眼的な見地に立ったディスカッションや話題提供につなげる。企業の見識を高め、事業活動に資する情報提供の場としたい。

 

研究体制

研究統括

本多 佑三  APIR研究統括、大阪学院大学教授、大阪大学名誉教授

リサーチリーダー

木村 福成  APIR上席研究員、慶應義塾大学経済学部教授、ERIAチーフエコノミスト

 

期待される成果と社会還元のイメージ

オープンなシンポジウム形式の研究会において、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々を中心に還元する。
対海外、特にアジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。

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