アジア太平洋地域の政治・経済的協力のあり方

研究プロジェクト 2024年度

ABSTRUCT

リサーチリーダー

APIR上席研究員 木村 福成 (慶應義塾大学 経済学部 シニア教授、日本貿易振興機構アジア経済研究所所長)

フォーラムの開催

  • 8月29日(木)APIRフォーラム「岐路に立つ中国と東アジア諸国経済への影響」

研究計画

研究の背景

岸田首相は4月11日、米議会の上下両院合同会議で “国際秩序守るため大きな責任担う”と日米の結束を呼びかける一方、経済的威圧や「債務の罠」外交で経済的依存を悪用、武器化する中国を非難する演説を行った。
国際情勢の不安定化が加速する中、一方で東アジア全域において展開されている国際的生産ネットワークは引き続き活発に動いている。
本プロジェクトでは、経済安保上の利益とグローバル化の経済的利益の間の折り合いをつけながら、国際通商ルールに基づき自由で開かれた経済活動を発展させていくことの重要性を再確認していく。
国際経済学のみならず、国際法学、政治学ならびに企業研究などさまざまな知見を得ながら、アジア太平洋地域における政治・経済協力のあり方について研究を進めていく。

分析の手法または現地調査の詳細

2024年度は昨年度に引き続き、刻々と変化する国際貿易体制の状況を踏まえながら、マクロ的には自由貿易体制の行方、ミクロ的には自由化と国際ルール作りの要点につき、学際的な視点から知見を深めていく。
米中対立、2つの戦争の影響による地政学的緊張が継続するなか、今年は米中と繋がりながら経済成長を続けるASEANで、むしろ中国のプレゼンスが高まってきている現状を検証しつつ、合わせて活力を維持している東アジアの生産ネットワークの現状や、ルールに基づく国際貿易秩序の行方についても検討していく。
木村リサーチリーダーによるASEANと日本についての経済研究を軸に、学識者、研究者並びに実務家に登壇いただき、複眼的な見地に立ったディスカッションにつなげる。企業の見識を高め、事業活動に資する情報提供の場としたい。

期待される成果と社会還元のイメージ

オープン研究会において、多方面からの理論・実証・政策研究の成果を提供し、企業の方々を中心に還元する。対海外、特にアジア太平洋地域における事業展開戦略の策定に資する。

研究体制

研究統括
本多 佑三  APIR研究統括、大阪大学名誉教授
リサーチリーダー
木村 福成  APIR上席研究員、慶應義塾大学 経済学部 シニア教授、日本貿易振興機構アジア経済研究所所長
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