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「日本経済のマクロ経済分析」特別研究成果報告
(主査: 稲田義久・甲南大学経済学部長・教授
高林喜久生・関西学院大学経済学部教授 )
研究所のマクロ経済分析プロジェクトチームでは、在阪の大手企業・団体の若手スタッフの参加による研究会を組織し、稲田主査指導のもとマクロ計量モデルによる景気予測を行なうとともに、高林主査指導のもと時宜に適ったテーマを取り上げ特別研究調査を実施している。
特別研究については、年1回の研究調査報告を行なっている。今回は、バブル経済崩壊以来15年以上が経過し、日本経済、関西経済が「平成不況」を脱したと見られる今、関西経済のこれまでの軌跡を振り返り、新しい時代を展望することを目指した研究成果をとりまとめた。
* 【関西経済はなぜ苦しんだのか】
バブル期以降の関西経済低迷の背景として、(1)生産性の停滞、(2)中小企業の活力低下、(3)東京一極集中、(4)大規模プロジェクトの不調、(5)生産拠点の海外・域外シフトによる空洞化、を挙げた。
* 【関西経済はなぜ復活したのか】
関西経済復活の背景として、(1)関西企業の「3つの過剰(債務、設備、雇用)」の解消、(2)輸出の増加(とりわけ高成長するアジア向け)、(3)工業(場)等制限法の完全撤廃、(4)大規模プロジェクトの都心回帰、を挙げた。
* 【関西経済、今後の課題】
今後の課題は、(1)人口減少社会への対応、(2)高齢者有業率の低さと女性労働力活用への対応、(3)少子化・高齢化へのビジネス対応、(4)都市開発における選択と集中