グリーン&レジリエントなサプライチェーン構築に関する研究

研究プロジェクト 2013年度

ABSTRUCT

研究成果概要

 

本研究は、企業(製造業)のサプライチェーン(以下、SC)における調達先(サプライヤー)と納品先(顧客)の関係性を対象にし、CSRの一環としての環境経営、ならびにBCPなどの危機管理の取組みの現状を、「SCのリスクマネジメントに関するアンケート調査」の分析から明らかにすることを目的としました。具体的には、近畿・東海9府県に本社を有す、小規模な企業を含む加工組立製造業のSCを対象として、企業の自然災害等に対する「事業継続力」と、CO2抑制としての「低炭素化力」の取組みの現状を分析しました。本報告書では、速報性が求められる「事業継続力」の現状を取りまとめました。

個別企業の取組みを支援できる主体として、自治体、および業界団体・工業組合、大手企業を想定し、本社所在地別(中部太平洋側、近畿内陸、近畿臨海)と業種別(一般機械、電気機械、輸送機械)の取組みの特徴と脆弱性(リスクの大きさ)を示しています。これにより、企業や業界団体・工業組合は「事業継続力」の取組み進捗のベンチマークや、支援方策検討の基礎資料に活用できるものと考えます。また、政策当局や経済団体においては、地域の加工組立製造企業の対策推進に係る支援策立案の基礎資料として用いることが期待されます。詳細はこちら

目的

投資家・消費者の社会意識・環境意識の高まりや、多発化・深刻化する自然災害等に対しての、ISO2600(CSRの国際標準規格)やBCP(危機管理)などのしくみへの関心が高まっている。

本研究は、関西企業(製造業)のサプライチェーンにおけるバイヤーとサプライヤーの関係性を対象にし、環境経営(CSRの一環)やBCPにおける現状の課題と方策等を明らかにする。

成果は、企業における環境経営や危機管理に係る取組み進捗のベンチマークや、方針検討に資する基礎資料として活用できる。また、政策当局の政策立案の基礎資料としても活用が期待される。

内容

まず、サプライチェーンとの関連性を中心とした企業の環境経営や危機管理対応の現状等をサーベイする(文献調査)。これを踏まえ、関西に本社のある企業に対して調査を行い、環境経営とBCPなど危機管理の取組みの現状と課題等を明らかにする(アンケート調査)。

さらにアンケート結果を踏まえて、企業ヒアリング(バイヤー、サプライヤー)を行い、定量的な考察を行う(ヒアリング調査)。

最後にこれら個別結果をもとにして、総合的な検討・考察を行う。

期待される成果と社会還元のイメージ

関西の企業(製造業)のサプライチェーンにおけるバイヤー・サプライヤー・これらの関係性における、環境経営やBCPなどの危機管理の取組みの現状と課題、今後の方向性、求められる方策等が、アンケート分析により定量的に明らかにされる。

関西企業は自社企業の環境経営や危機管理に係る取組み進捗のベンチマークや、今後の取組み方針検討に係る基礎資料として活用でき、経済団体は政策当局への支援要望の基礎資料として用いることが期待される。

 

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