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To a faster reading of “the signs of change” in tourism
Advance estimation of monthly indexes: December report No.31
DETAIL
ポイント
1月発表データのレビュー:JNTO 訪日外客数
▶JNTO訪日外客統計によれば(図1及び表2)、12月の訪日外客総数(推計値)は12,100人となった。11月30日から外国人の新規入国緩和を停止した影響もあり、前月(20,700人)から減少した。結果、2021年通年では245,896人となり、1964年(352,832人)の統計開始以降で、過去最少となった。なお、伸び率をみれば前年比-94.0%、19年比-99.2%となった。
▶訪日外客数のトップ5を国・地域別にみると、12月は中国が1,800人で最も多かった。次いでインドが1,200人、韓国が1,100人、米国が1,000人、台湾、インドネシア、ベトナムがそれぞれ300人であった。結果、2021通年では中国(42,300人)、ベトナム(26,500人)、米国(20,000人)、韓国(19,000人)、インド(8,800人)の順となった。
▶目的別訪日外客総数(暫定値)をみれば、10月は22,113人となった(前々年同月比-99.1%)(図2及び表3)。うち、観光客は2,287人(同-99.9%)、商用客は2,506人(同-98.5%)、その他客は17,320人(同-89.0%)であった。ワクチン接種を条件に入隔離期間が短縮されたこともあり、訪日外客数はすべてのカテゴリーで前月から増加した(前月:観光:1,124人、商用:1,676人、その他:14,920人)。
▶2022年1月に入り、欧州の一部の国でオミクロン株による感染拡大を防ぐ水際対策が緩和されつつある。英国やフランスでは、国内でオミクロン株が既にまん延し、水際対策の効果が薄まったとのことから、むしろ入国制限緩和の方針を決定した。なお、上記2カ国では、オミクロン株対策としてブースター接種を前倒しで進めており、英国が53.9%、フランスが45.0%と、いずれも12月以降、急上昇している(図3)。ワクチン接種済みであれば隔離期間を設けずに入国可能となるため、ワクチン接種の進捗が入国緩和にとって重要となろう(日本のブースター接種率:1.5%)。
▶欧州を中心に入国緩和の動きが進む一方、日本では引き続き厳格な水際対策が続く。11月30日から政府は外国人の新規入国を一時停止していたが、1月11日に2月末までの延長を決定した。卒業や進級が迫る留学生などの新規入国ついて検討が進められているが、大幅な入国緩和は期待しづらく、当面訪日外客は低位での推移が見込まれよう。
トピックス1
12月関西の財貨・サービス貿易及び11月のサービス産業動向
▶関西12月の輸出は前年同月比+18.5%と10カ月連続の増加だが、前月(同+22.9%)から減速(図4)。主にアジア向けの半導体等電子部品が輸出増に寄与した。輸入はエネルギー価格の高騰もあり同+32.3%と11カ月連続で増加した(前月:同+39.3%)。結果、関西の貿易収支は+2,878億円と23カ月連続の黒字だが、輸入の伸びが輸出の伸びを上回ったため、黒字幅は同-22.8%と2カ月連続で大幅縮小した(前月:同-60.4%)。2021年通年では輸出は前年比+21.0%、輸入は同+17.8%といずれも3年ぶりに増加した結果、貿易収支は同+39.8%と2年連続で拡大した。
▶対中貿易動向をみると(図5)、関西12月の対中輸出は前年同月比+14.9%と19カ月連続の増加だが、前月(同+20.6%)から減速。また、対中輸入は同+23.5%と7カ月連続で増加し前月(同+19.4%)から加速した。2021年通年の対中輸出はプラスチックや半導体等製造装置の寄与もあり前年比+18.4%と2年連続の増加となった。また対中輸入は衣類及び同附属品や通信機の寄与もあり同+15.6%と3年ぶりに増加した。
▶12月の関西国際空港(以下、関空)への訪日外客数は2,737人と前月(3,678人)から減少した(前々年同月比-99.6%)(図6)。前述した外国人の新規入国停止の影響が表れているようである。2021年通年では41,119人(前年比-95.9%)と、1994年の開港以降(248,806人)、過去最低値となった。また、同月の日本人出国者数は4,247人(前々年同月比-98.8%)で前月(4,467人)から減少した。2021年通年では43,970人(前年比-92.7%)と、インバウンド需要と同様にアウトバウンド需要も消失している。
▶11月のサービス業はCOVID-19の感染状況が前月から一層落ちついていたこともあり指数は持ち直しがみられた。サービス業の生産活動を示す第3次産業活動指数(季節調整済み:2015年平均=100)をみれば(図7)、11月は98.2で前月比+0.4%上昇し、3カ月連続のプラスとなった(前月:同+1.9%)。対面型サービス業指数*は87.5で同+4.1%上昇し、3カ月連続のプラス(前月:同+8.2%)。COVID-19新規陽性者数が低位で推移し、行動制限が一層緩和されたため、同指数は大幅に改善。うち、飲食店、飲食サービス業(同+8.2%)が3カ月連続で改善した。
▶観光関連指数**(2015年平均=100)は、80.1と前月比+6.7%上昇し、20年2月以来の水準(99.7)となった(図7)。各都道府県が行った独自の需要喚起策の開始もあり、宿泊業(同+14.7%、2カ月連続)や旅行業(同+45.3%、3カ月連続)が大きく改善した。
*対面型サービス業は、運輸業、宿泊業、飲食店、飲食サービス業、その他の生活関
連サービス業及び娯楽業を指す。
**観光関連指数は第3次産業活動指数のうち、観光庁「旅行・観光サテライト勘定」の分類に対応する、鉄道旅客運送業、道路旅客運送業、水運旅客運送業、航空旅客運送業、旅客運送業、その他のレンタル、自動車賃貸業、宿泊業、飲食店、飲食サービス業、旅行業、映画館、劇場・興行団の各指数の加重平均。
トピックス2
10月延べ宿泊者数の動向:関西2府8県
▶観光庁によれば、10月の関西2府8県の延べ宿泊者数(全体)は5,736.8千人泊であった。コロナ禍の影響がない前々年同月比は-44.7%と前月の減少幅(同-58.7%)から縮小した(表1)。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全国で解除されたことにより(2021年9月30日)、宿泊者数が大きく増加した。
▶日本人延べ宿泊者数は5,692.3千人泊であった。前々年同月比22.7%と前月の減少幅(同-45.3%)から縮小した(表1及び図8)。府県別に延べ宿泊者数を降順にみれば、大阪府が1,825.9千人泊、京都府が1,149.6千人泊、兵庫県が866.0千人泊、三重県が470.9千人泊、和歌山県が362.1千人泊、滋賀県が260.1千人泊、福井県が240.2千人泊、鳥取県が202.9千人泊、奈良県が160.3千人泊、徳島県が154.3千人泊であった。特に和歌山県では前々年同月比がプラスに転じた。
▶外国人延べ宿泊者数は、44.5千人泊と、前々年同月比-98.5%減少した(前月:同-98.4%)(表1及び図9)。
▶10月の関西2府8県延べ宿泊者を居住地別でみると(図10)、県内の延べ宿泊者数は1,472.1千人泊(前々年同月比+20.9%)、県外は4,053.3千人泊(同-52.6%)であった。延べ宿泊者に占めるそれぞれのシェアは、県内が25.7%、県外が70.7%となっている。なお、県内の伸びは前月(同-9.9%)からプラスに転じ、県外の減少幅は前月(同-65.0%)から縮小したことに注意。
▶11月の全国延べ宿泊者数(全体、1次速報ベース)は35,615千人泊であった。前々年同月比-28.3%と前月(31,567千人泊)の減少幅(同-36.9%)から縮小した。関西においても、府県民割の対象拡大や期間延長もあり、今後も宿泊者数の増勢が続くと思われる。